最近ドラマの下剋上受験にハマっています。大手の学習塾には必ず“マニュアル”が存在します。生徒の伸びしろや受験までの期間を考え、マニュアルに当てはめてその子を扱います。悪い表現になってしまいましたが、これは非常に大切なことです。マニュアルが存在しなければ、教室長によって方針がバラバラになり、ブレが生じます。全国に多くの教室を抱える大手学習塾は、守るべき“マニュアル”が必須なのです。
 下剋上受験で、中卒のお父さま自らが娘に受験指導するというのは、ありえない滑稽な選択です。しかし、その概念は常識からくるもので、大手学習塾での“マニュアル”も大きく影響しています。
 引き出しや選択肢は生徒の頑張り、保護者様のお力添え、講師のフォローによってどこまでも広がるはずです。生徒の可能性を信じ、可能性を広げるというのは、個人経営塾の個別指導の一番の長所といえます。“マニュアル”は、生徒の可能性・将来への選択肢を狭めてしまうことがあるのです。
 砂町秀栄ゼミナールはまもなく開校2年目を迎えます。常識にとらわれず、生徒の頑張り次第で目標を変えていく塾です。たとえば、中高一貫校受検を考えているご家庭。常識であれば、中高一貫受検に向けて全力投球。倍率6倍以上の中学校が多い厳しい受検ですから当然のことといえます。しかし、私立中学受験とは比べ物にならないくらい厳しい戦いであることは一目瞭然です。そこでわたしがご家庭に提案する一つの選択肢が「私立中学受験と公立中高一貫受検」を両方することです。大手学習塾では“お子様への負担が大きいのでどちらかにしたほうが良い”です。これは完全にマニュアルであり、塾側が面倒なことにならないよう、一つに絞っているのです。こうした塾中心の常識にとらわれないよう、お子様とご家庭が主となる進路をご提案させていただくことを、わたしは意識しています。